2020年度第2四半期の国の年金資産の運用結果においても+3.05%(4兆9,237億円)の収益となりました (厚生労働省)

2020年度第2四半期の国の年金資産の運用結果においても+3.05%(4兆9,237億円)の収益となりました (厚生労働省)

 令和2年11月6日に厚生労働省より年金積立金管理運用独立行政法人(以下、「GPIF」という。)による国の年金資産の2020度第2四半期の運用状況が公表されました。
2020年度第2四半期(2020年6月~9月)の国の年金資産の運用状況での収益率は第1四半期に引き続き+3.05%となり4兆9,237億円の収益となりました。
その結果、2020年9月末現在の年金運用資産額は167兆5,358億円となりました。GPIFによる国の年金資産の詳細については下記の年金積立金管理運用独立法人のホームページでご覧ください。

2020年度第2四半期運用状況(速報)

■2017年度~2020年度の四半期毎の運用利回り
2017年度
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度
運用利回り3.54%2.97%3.92%-3.49%6.90%
2018年度
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度
運用利回り1.68%3.42%-9.06%6.21%1.52%
2019年度
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度
運用利回り0.16%1.14%4.61%-10.71%-5.20%
2020年度
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度
運用利回り8.30%3.05%11.59%
■過去の運用資産の構成割合
2019年度末2019年度
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
国内債券23.87%26.33%26.61%
国内株式22.87%24.37%24.06%
外国債券23.47%21.81%23.46%
外国株式23.90%27.49%25.88%
短期資産5.95%
合  計100.00%100.00%100.00%
※参考:

4兆9,237億円の収益とは時価に基づく評価損益であり、実際の金融商品の売買により発生した収益ではなく、保有している金融資産を時価評価で換算した際の評価の価額です。
例えば、2019年度末の年金積立金の運用結果で-8兆2,831億円(収益率換算で-5.20%)の損失が発生したと報じられました。
しかし、3ケ月後の2020年度第1四半期では12兆4,868億円(収益率換算で8.30%)の収益と発表され、更に6ケ月後の2020年度第2四半期でも4兆9,237億円(収益率換算で3.05%)の収益と発表されました。
その結果、2019年度末(2020年3月末)現在の年金運用資産額は150兆6,332億円であったのが、2020年9月末現在の年金運用資産額は167兆5,358億円と16兆9,026億円の増加となっております。

このように四半期毎の損失や収益は実際の金融商品の売買により発生した実際の収益額や損失額ではなく、2020年3月末日現在で持っている金融商品と2020年9月末日現在で持っている金融商品を時価による評価換算で比較をした場合に発生した評価損益の差額であります。
よく損失が発生した際に一部の報道によっては運用損失により年金資産がなくなり、将来年金が貰えなくなるという記事が見受けられますが、このように、年金積立金の運用状況は長期的に判断する必要があり、単年度や4半期毎の運用状況だけで年金積立資産の実額が減ったり増えたりするという性質のものではありません。
今回の運用結果においても、4兆9,237億円の年金積立資産の収益が発生したが、この収益は年度途中における評価による収益ですので、将来の年金給付に直接反映するものではありません。

 

STAFF

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